6月のボトル

6月のボトルは、98番「大天使サンダルフォン」。
ライラックと、ペールコーラルの組み合わせ。

またの名を「マーガレットのボトル」とも呼ばれています。
オーラソーマの創始者は、ヴィッキー・ウォールという女性ですが、そのヴィッキーの長年の友人であり、一緒に仕事をしてきたパートナーでもある、マーガレット・コクベインという女性がいました。オーラソーマの誕生からその発展の初期の頃までともにかかわってきた人です。
このボトルは1998年6月21日、夏至の日に誕生しました。その直後、1998年10月にマーガレットが亡くなったため「マーガレットのボトル」とも呼ばれているのです。
オーラソーマにとっては、マーガレットの思い出が詰まったボトルということになります。

98番「大天使サンダルフォン」のボトルは、私自身はそんなに選ぶボトルではないのですが、コンサルテーションではよく選ばれるボトルという印象があります。
そして、あくまで私の印象ですが、美しいものや物事のきれいな側面だけを見ていたいのに、そうでない状況におかれていたり、なにか傷つく経験があって、そこから立ち直っていく段階にいるようなときに、よくこのボトルが選ばれるように感じています。

夏至の日に誕生した98番のボトル。
ライラックとペールコーラルの組み合わせが夏の夕焼けを思わせるとても美しいボトルです。
皆さんは、夕日を見たいと思うのはどんな時ですか?
落ち込んでいる、というほどではないけれど、移ろいやすく繊細な気持ちになっている時に、沈んでいく夕日をいつまでも眺めていたい、と思ったりしませんか?
一日の終わりに太陽は沈んでいきますが、明日の朝になればまた必ず上ります。
私たちはそのことを知っているからこそ、また上るために沈んでいく太陽から勇気をもらいたくなるのかもしれません。

サンダルフォンは、イスラエルの預言者エリヤが天国に引き上げられ天使となったと言われています。
預言者エリヤは、イエスの先触れの役を務め、イスラエルの民のために広く活動をしていました。そして、その生涯を神とともに歩んだとされます。
エリヤは、地上でのよき行いが認められて、生きたまま天国に昇り大天使サンダルフォンに化身したといわれています。

98番「大天使サンダルフォン」の上層の色はライラックですが、ペールヴァイオレットともいうことができます。
ペールは「光が入った」という意味なので、ペールヴァイオレットは、ヴァイオレットに光が入った色ということです。
色としては、パステルカラーのような淡い色彩になりますが、ヴァイオレットの持つ意味が強調されることになります。
ヴァイオレットには「変化」というキーワードがあります。
ペールヴァイオレットを「ライラック」と表記しているボトルは、現在116本あるイクイリブリアムボトルのうち、この98番「大天使サンダルフォン」と、「守護天使」という名前がつけられている44番のボトル、2本だけになります。
44番のボトルは、現在のオーラソーマの学長、マイク・ブースが初めて作ったボトルです。
それまではオーラソーマの創始者のヴィッキーがボトルを作っていましたが、その役割がマイクに手渡されたボトルということになります。
そして、98番は、先ほどもお話したとおり、マーガレットとの別れのタイミングでもたらされたボトルです。
どちらのボトルも、オーラソーマにとって大きな変化の時期に生まれたボトルであり、ライラックは変容にかかわる色とされています。

変化は突然やってくるように思えますが、一日の終わりに太陽が沈んで、また新しい一日が始まる、というごく当たり前に思えることも、いわば変化です。
もうすぐこのボトルの誕生日、夏至が訪れますが、夏至はご存知の通り、昼間が最も長い日になります。
太陽が出ている時間が最も長い日ですが、翌日から、ちょっとめにはわかりませんが、少しずつ日が短くなっていきます。
このように、変化は常に日常の中にあるのです。

預言者エリヤが、地上で自分の使命を務め上げ、大天使サンダルフォンに化身するという大きな変容を遂げたように、
私たちも日々のことを正しく行っていれば、必要なところに導かれる。
98番「大天使サンダルフォン」のボトルは、それを教えてくれるように思います。